長時間労働監督指導結果(H29)

▽長時間労働監督指導結果、平成29年7月26日厚生労働省公表

厚生労働省は、平成28年4月から平成29年3月までに、長時間労働が疑われる23,915事業場に対して実施した、労働基準監督署による監督指導の実施結果を取りまとめ、公表した。

この監督指導は、月80時間を超える時間外・休日労働が行われた疑いのある事業場や、長時間労働による過労死等に関する労災請求があった事業場を対象としている。

対象となった23,915事業場のうち、10,272事業場(43.0%)で違法な時間外労働を確認したため、是正・改善に向けた指導を行った。なお、このうち実際に月80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、7,890事業場(76.8%)であった。

厚生労働省は、今後も月80時間を超える時間外・休日労働が疑われる事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、長時間労働の是正に向けた取組みを積極的に行っていく。

【平成28年4月から平成29年3月までの監督指導結果のポイント】

(1)監督指導の実施事業場:                             23 ,915 事業場
 このうち、15,790事業場(全体の66.0%)で労働基準関係法令違反あり。

(2)主な違反内容 (1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]

 違法な時間外労働があったもの:                     10,272 事業場(43.0

  うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が

              月80時間を超えるもの:       7,890事業場(76.8%)    

         うち、月100時間を超えるもの:    5,559事業場(54.1%)

             うち、月150時間を超えるもの:      1,168事業場(11.4%)

             うち、月200時間を超えるもの:       236事業場(2.3%)

  賃金不払残業があったもの:                            1,478 事業場(6.2

     うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が

     月80時間を超えるもの:        909事業場(61.5%)

 ➂ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:       2,355 事業場(9.8

(3)主な健康障害防止に係る指導の状況

  [(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]

  ➀ 過重労働による健康障害防止措置が

不十分なため改善を指導したもの:                   20,515 事業場(85.8

   うち、時間外・休日労働を月80時間以内に

     削減するよう指導したもの:        14,012事業場(68.3%)

 ➁ 労働時間の把握が不適正なため指導したもの:         2,963 事業場(12.4

    うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が

         月80時間を超えるもの:        1,313事業場(44.3%)

脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。

 

監督指導例



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